生ハムと暮らしている

すぐ忘れるので文字にしよう

もう一度、晴れの日に

酒が成立させた約束を果たすため、朝一で急の午後半休を表明。許諾。

 

息つく間もなく午前が終わり、わたわたと職場を出る。あてなく打ち上げられるペットボトルロケットのごとし。背中から漫画みたいに汗のマークが出てたと思う。

 

としまえんは想像したよりずっと寂れている。

至る所に設置された針金と布のようなものでつくられた謎のモニュメントが、あまりにも寂寥感を表現する優等生であった。

 

期待はしていなかったが、そこそこショボショボの紫陽花に迎えられた。7月までよく粘っているほうだろう。エリア自体はよくつくられており、遊園地の一部とはいえ小さな鎌倉のよう。

とはいえ、歩き回ったとてそこまでの甲斐はなく、入り口付近まで戻って20枚つづりの乗り物回数券を買った。

 

小さな汽車に乗ろうとしたところタイミング悪く清掃・消毒に入ってしまい、隣にあった屋内コースターのようなもので時間を潰す。

と、これが驚きのつまらなさで、逆にウケた。(異常にストーリーも抑揚もないコースター型の純和風お化け屋敷だった。)

回転木馬(カルーセル)が歴史あるものだそうで、確かにその付近だけつんと澄ました本物感が漂う。

なかなか乗ることもないからと一番内側の向かい合わせのソファに座ったら、ものすごい速度で回る。びゅんびゅんと耳が風を切るようだ。奥に座った父娘の、父親が徐々にぐったりしていくのが見えた。

 

帰る前、どんなダサいグッズがあるだろうとホクホクしながら土産屋に入ると、あのとしまえんフォントで「としまえん」とめいっぱい書かれた鮮やかなブルーのタオル。最高かよ…。

ルーセルの歴史が描かれた絵本が売っており、先ほどの父娘が読んでいる。2人が去ったあと手に取ると、素直にいい話でちょっと泣くかと思った。

極め付けは「なつかしかわいい!」の文句で置かれたオリジナルTシャツ。としお(青)ととしこ(赤)という知らんキャラツートップのダサすぎTシャツだが「お1人様につき1点のみ」とのこと。いやもう売ってやれよ、欲しいっていうなら何枚でもさ。余ったらどうすんの?????

 

出るころには、雨はずいぶん弱くなっていた。

私には大きな思い出のない園だが、もう消えるものと思えば寂しい。もう一度、晴れの日にとしまえんタオルを買いに来ようかな。

 

▼ダサTと迷ったけどやっぱりキラキラですごいからこっち

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