生ハムと暮らしている

すぐ忘れるので文字にしよう

その時が訪れたら

7/28

地下鉄で目を瞑り、睡眠ほどではないまどろみの状態でいると、夢未満の意味のないイメージが浮かぶ。

ミルク色の大きな膨らみを浮かんでは斬り、浮かんでは斬り、ああほんとうにこんなものがあるんだと思う。

 

夢を記録し続けると狂ってしまうとよく聞くが、なるほどそうかもしれない。日記を書いていても、言葉にしてはじめて違和感に気づくことがある。ああこの熟語はニュアンスが違うなと。

夢の言語化なんて違和感に気づく暇もないので無理に枠にはめたままの感情や状況が膨大に生まれては置いていかれるはずで、そういうものが蓄積して、枠外から押し込まれた実体のない景色などが切り貼りされいつか不自然な形をとって独り歩きするんだろう。

 

今日も変わらぬ退屈な就業時間だったけど、合間のネットサーフィンで、ずっと迷子だった会社用の鞄(今は休日用に持っていたハーシェルサプライのミリタリーリュックを使っている、楽だけどオフィスに似合わない)を見つけたかもしれないので浮き足立っている。

社会人になってすぐに買ったオールドコーチのグローブ革のショルダーバッグは今でも気に入っていて、使い続けたい気持ちはやまやまなのだけど、いかんせん重く、肩への負担が大きすぎる。

とか言っているが会社に行くファッションを多少凝ったところで休日の楽しみの足元にも及ばない。ただオフィスワーカーのロールプレイングをしているだけなのだ。それらしい格好をして、持ち物に囲まれて、然とした人物を演出することを遊んでいる。

8cmヒールや本切羽のジャケット、輸入物のステンレスの腕時計、毛先の出ないまとめ髪…どれも嫌いじゃないけど、じきに飽きるだろう。その時が訪れたら、今度は何者のつもりをするかな。

 

▼オールドコーチとストライプのジャケット

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