生ハムと暮らしている

すぐ忘れるので文字にしよう

嫌いではないけど別れを選ぶ

11/28

衣類収納を整理するぞ。

今日で必ずやタンスを空にする。

 

意味があるかわからないが、念のため衣装ケースを購入する際、事前に旧収納と新収納のおおよその有効体積を求めて、入れ替えが可能か検討しておいた。それによると少々、新収納のほうが体積は減るのだが、旧収納ではむしろ1つずつの引き出しの深さを持て余しうまく利用しきれていなかったので、その分を鑑みるとぴったりくらいなのではないか、というのが仮説である。

 

昼までに、下着類と、ブラウスなどの薄手の衣料をクローゼットケース(小)に格納し、全体量の半分ほどの移管を済ませた。

 

今日は外出しないぞと決めていたので、別にガブガブ飲むつもりはないが昼にビールでも飲んじゃおうかなと思っていたが、まんねりとした食材しか家にないので、夏ごろに買った家飲みを楽しくする100の方法という本の内容を思い返す。

なんかちょっと変わったもの食べたいな。

 

家の近くで評判のいいエスニック料理屋を思い浮かべた。ビリヤニ食べたい。

 

一度、正統派のものということで、注文してから1食ずつ陶器の皿で焚き上げるビリヤニを食べたことがあり、とても美味しかった。今日はせっかくだから店オリジナルの(少し日本人向けにアレンジされているのだろうか?)、お求めやすい価格のほうを頼む。

こちらは待ち時間はそんなに長くないよ、という感じだったので大鍋などでの作り置きと考えられるが、十分にパラパラでふわふわで、美味しかった。この値段で待ち時間なくこれ食べられるなら、全然いいな。

と同時に、もう少し歩いたところにある、本場の方(ネパール人だったかな…)がやっているお店のことも思い出した。あそこのビリヤニはとんでもない量が出てくるんだよな。あとサイドメニューも謎のやつがいっぱいでさ。

みんな違ってみんないい。今度行こう。

 

デザートにグラブジャムンを頼んだ。

グラブジャムンをご存じだろうか。たまに世界で一番甘いと話題になるスイーツである。

球体のドーナツを、果物とかじゃなくて純粋に砂糖の甘味を液状にしたシロップに漬けてあるお菓子。一応少々のレモンとカルダモンやシナモンの風味が加えられてはいる。

さらに私は「容赦ない甘さ」と書かれたハニーバター味を選んだ。砂糖をギリギリまでドーナツにしみこませたうえバターを…合法の犯罪だよ…。

あ・あめ(甘)え~~~~。

 

猛烈な満腹で、家に戻ってからもしばらく休憩してしまった。15時くらいから昼寝までした。

目覚めの後、夕方からなんとか自分を鼓舞してもう一度衣類収納にチャレンジ。粛々と残りの引き出しの中身をストレートに新収納にしまった。微妙に入りきらなかったものがぼんやりとケースの上に置いたままになっているが、そもそも、もとのタンスでも嵩張る衣類はちょいちょいはみ出ていたのでまあ及第点だろう。

なにより長年連れ添ってきた、IKEAの組み立て式タンスが完全に空になったのだ…。感想や湿度に弱そうな無垢材(たぶん中身は圧縮材だと思われるが)であからさまに天板は歪んでしまっている、でも素朴な見た目で歪みも愛着になるような、どんな部屋にも合う実直なタンス。

 

インテリアのことはずっと好きなのに、なぜか大型家具にはこだわりがないままここまで来てしまった。初めに住み始めた部屋は一切の収納がなかったので、コスパがよくて実直なタンスをパートナーに選んだ。今でもいいタンスだなあと思う。

けど、タンスという収納そのもののことを、本当に好きにはならなかったみたいだ。嫌いではないけど別れを選ぶ恋人みたいな気持ち。本当に。

 

これといった食欲が戻らないまま夜になったが、何らか1日のなかで夜という印をつけたく、楽しみにしながら温存してきたシュトレンをやっと開けて薄く切り、グリューワインを温めて飲んだ。

 

▼シェ・リュイのお菓子らしいシュトレンと、ブリコラージュブレッドのカルダモンや八角の香りがする尖ったシュトレン

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