プラスマイナスプラス
12/20
今日は、何もしない日。
定期的に訪れるので何度も日記に書いている。何もしないことを世の中に積極的にバラしていくスタイル。
洗濯をしたら空気は冷たいが快晴が気持ちよく、散歩をするべきなのではとも思う。
気に入っていた近所の古着屋がしばらく移転休業していたのが最近再開し、行こうかなという気があるのと、あとは図書館から本の返却期限を過ぎていると連絡が来ていたのでそろそろ読まねばならない。
そのいずれも潔く無視して、昼から酒を飲んだ。
スパイスたっぷりのクッキーと青カビが増えまくったブルーチーズの脇に、グリューワインとスパイス酒の炭酸割を携えて、ベッドの上に簡易のテーブルを設置して思い切り怠惰と贅沢をする。
極めつけに、そのまま気持ちよく昼寝をした。
まだまだ出かけるのに問題ない時間ではあるが、当然そんなやる気はとうに彼方遠くへ。
そのまま夕方も特に何もしなかったけれど、同居人がビリヤニを食べようかなというので、一人前に外食だけは付いていった。
冬限定という牡蠣のビリヤニを頬張り、オーダー時にお酒は我慢したけれど、やっぱりハニーレモンのラッシーは頼んで、甘くて酸っぱくてもったりした最高の飲み物を飲んだ。今日の私のエネルギーはプラスマイナスプラス(蓄積)。
▼朝の結露。水滴はただあるだけでこんなに美しいけど私は何もしていない
その価格と体積を引き換えに
12/19
フォローしている(SNSのアカウントをという具体的なことじゃなく、元の意味で、もろもろの活動を継続的に追いかけていて尊敬している)陶芸作家さんの展示に行った。
銅を焼き付けて酸化させている(確か)という作品作りをしている方で、夏の展示で初めてその技法を目の当たりにし、酸化銅のブロンドと虹彩が美しい花瓶を買った。その際、青銅の厚い焼き付けと複雑な表情の数点の作品もとても素晴らしかったが、器としてそれらが何かを容れている場面を想像できなくて、悩んだ挙句購入は見送った。
今回はブロンドの器たちは隅に追いやられ、青銅の瓶や箱・オブジェなどの観賞用に向いた作品、また人気のある硫化銀彩の普段使い用の器が大量に並んでいる。
青銅の作品はとても美しいが、前回の展示から比べると比較的安定して色が出ており、作品の種類がたくさんあるために造形にチャレンジをしているようにも見え、球体のオブジェや植物を押し付けてシルエットを凹ませたアートパネル、円状の特大のトレイのようなものなどが続く(いわゆる陶芸作家の作品として、私はこのような形状のものを見たことがない)。
結局、既に自分が購入した花瓶を超えられるものが見つけられず(クオリティの問題ではなく個人の好み)、また前回感銘を受けた青銅の質感が異なる様相を見せ落胆し(これもまた好みに帰結する)、ただまた次の訪問では更なる期待のベクトルの違いが発生する可能性もあるので、今の創作の証跡だけでも手に入れたく、小石のような作品を購入した。
あまり詳しく話を聞かなかったが、これといって決まった目的があるものではないようで、土を掌でぎゅっと押しつぶした塊。虹彩の煌めきが強いものをひとつと、斑の青銅が焼き付いたものをひとつ。
インテリアでいわゆる置物、オブジェみたいなものを買うというのは私個人としては非常に勇気のいるもので、ギミックがあればストーリーやリーズナブルさというのが生まれて自分で自分にその購入の価値を説明しやすいのだけど、ただの鑑賞用の物体にその価格と体積を引き換えに家のスペースを占有させるという行為はなかなか高尚なものだ。
今回はその数少ない貴重なチャンスを手に入れたことになる。
神楽坂のドローイングの個展に寄ったあと、青山のスパイラルビルのクリスマスの展示に訪れた。
こちらも作品を定期的にチェックしているイラストレーターのグッズを見るために来たが、直近週ごとに発表されていた数十件のアートワークを試作的に印刷に回したらしく、少々単価の高い大量のポスターが商品化されていた。
近年かなり好きなイラストレーションだったため、商品化されたものは比較的買い集めてきたが、これは供給が多すぎてコレクションは難しい。
定期的に外向きの仕事が舞い込むアーティストなので、この人が持つ刹那的な作品のクオリティが、それを上昇も低下もさせることなく仕事の数だけ量産されている。素晴らしい仕事人だがフォロワーとしては自分の預かり知らぬ場所へ先に先にと進んでいくようで。だからなにと言うこともないのだが。
最後にIKEA渋谷に立ち寄ってから帰った。
IKEAのことは大好きだが、都心部で小金を巻き上げる今の方針にちょっと不服を感じつつ、でも新店舗である渋谷のノベルティアートワークが可愛くて腹が立つ。
この時期に密に飛び込む自責とノベルティへの邪な気持ちを複雑に絡めあいながら、インターネット上の入場整理券の許可を得て店舗に入った(到着するころにはもはや入場整理はされていなかった)。
普通に必要なものを手に取りレジに向かうと、悲しきかなノベルティの配布は終わっていたらしい。大きな感情の起伏はないが、なんとなく居心地が悪かった。
▼いい、すごくいい
筋肉についての啓示
12/18
急に、筋肉についての啓示があった。
健康に関する話題で、よく筋肉をつけて基礎代謝を上げよう、という眉唾な話があると思うのだが、これは全くもって信じられない。
だって質量と移動距離が決まったら消費されるエネルギーは決まるわけで、基礎代謝ってそういうことだろう。もちろん外から見えない内部的な消費もあるはあるだろうが、ボディビルダーじゃあるまいし一般人がちょっとトレーニングしたくらいで付いたり落ちたりする程度の筋肉量でただ生きてるだけのエネルギー消費効率が大きく変わるとは思えない。
けど、筋肉がついたことを「体に重りが増えた」「時間あたりの稼働効率が増えた」という意味で捉えれば、確かにこれは納得だと思った。
なんてったって私が膝を壊していたときの稼働効率は本当に最悪で、走れない、階段上れない、自重がかかる筋トレもできない、で過去と同じだけの運動量を確保するのに3倍くらいの時間がかかるのだ。
言葉にしてみれば誰でもわかるような当たり前のことなのだけど、今まで健康維持を目的とした運動ですら縁遠い生活を送ってきたので、身をもってこういったことを実感したことがなかった。
習慣としてジムにいったりヨガをしたりする人は、感覚として知っていることなのかな。
啓示というには大げさすぎることは自覚しているけど、私にとっては空から降ってきた新しい概念で、急に心にすっと沁み込んでくる久しぶりの学びだった。
▼とか言いながら写真は謎飯
わさびを足すなんて粗雑な行い
12/17
帰りに駅の付近でまたどこかの地から持ち寄られた野菜や郷土食材の直売所が開かれていた。
めちゃくちゃでかい大根が90円で、わさび菜が40円、にらが40円。
恵みじゃ豊作じゃ大漁じゃ~~~~!!!
ほくほくしながら家に帰り、業務スーパーで買った明らかに市販の劇的な旨味が足された煮豚のパックに大根を(火を通してから)ぶち込んだ。さぞかしうまいことだろう。そもそもこれしょっぱすぎるからな。
久しぶりにわさび菜なんてものを買い、うきうきしならが生でサラダにしたら、案外わさびの香りが弱くて拍子抜けした。ゆずチューブを混ぜてお醤油で簡単な味付けにしたが、何ならわさびを足したいくらい。でもわさび菜を生で食べるのにわさびを足すなんて粗雑な行いかしら……と恐れ多いのでやめておく。
▼飯の写真しかない日はなんだか手をかけられていない1日な気がする
悪い笑みがこぼれる
12/16
昨日の業務スーパー訪問で、やたら小さなアボカドと100円パクチー、そして補充のスイートチリソースを安く手に入れていたのでぜひとも生春巻きを食べたかったが、驚くべきことに業務スーパーにライスペーパーが売っていなかったため今日に繰り越し。
賑やかしの野菜を買うのを忘れたのでやけにまっすぐな緑の野菜ばかりで回していく。
久しぶりの生パクチー、めちゃくちゃうまいけど、お恥ずかしながらチューブの刻みパクチーのほうが断然香りが強い気がして、コストパフォーマンスの違いをまざまざと見せつけられた。
ライスペーパーとどうしても足りない食材だけ買い足すつもりで近所のスーパーに行ったのに、食べたくなっちゃって気づけばモッツァレラチーズの塊を購入していた。
いつもやっていると思われると心外だが(なにがだ)、丸々としたモッツァレラをそのまま何も加工せずかぶりつく。
うっすらと割けるやわらかな層が気持ちよく、乳のもったりとした甘み、うまみを口いっぱいに感じた。
後半はそのコク深さにやられてきたものの、下手にかじってしまったので残しにくく(まあ口を付けたところだけカットすればよかったのだけど)、えいやと全部食べ切る。
チーズ、特にモッツァレラなんて、かなり素材ではあるにせよ贅沢な加工と冷蔵の手間をもってして成り立つていねいな食品だというのに、これを丸ごと食べるなんて高等な蛮人だ。
なんの罪を犯してもいないが人には言いにくい行動、自分だけが見ている世界ではそういうことができる。悪い笑みがこぼれる。
▼緑
業スーを楽しむにも心構えが必要
12/15
今日まで開催しているブノワニアン(チョコレートブランド)の西武池袋出店に行きたかったが、昼過ぎごろに出店の様子をネットで検索したら目当てのチョコクッキーは売り切れとの情報が更新されていたので素直に諦めた。
昨日買い出しくらいには行けばよかったのだが、何もせず寝てしまったので多少食材を足さねばならない。
久しぶりに業務スーパーに行くことにした。
先日たまたまどこかに行った帰りに業務スーパーに寄ったのだが、急のエンカウントに心の準備ができておらず、家の備蓄もそこそこ残っていたので、たまたま切れていた昆布と干ししいたけ、冷凍マンゴーだけを手に帰った。冷凍マンゴーはありがたく頂いている。
家にあったら絶対使う類の食材、かつ冷凍や乾物など日持ちするものを大きめのサイズで買うことが業務スーパーのありがたみの最大効率なので、業スーを楽しむにも心構えが必要なのだ。
大きなエコバッグを手に店内に入ると、ぐっとワクワクが押し寄せる。
一般的な半分くらいのサイズのアボカド4個パック、丸のままのザーサイ、500gの冷凍野菜、1リットルのチリソース、なぜかここでしか見たことのない麻婆豆腐の調味料などなど……。
数年前までは業務スーパーをもっと頻繁に使っていたのだが、そのころとの自分の食生活の変化も感じる。生鮮食品は西友、魚は地元っぽいスーパー、卵と肉と加工品は業務スーパーと使い分けていたのだが、今よりずっと加工食品をよく食べていたんだなと思い出した。
大きなベーコン、もずく、外国の袋めん、しそドレッシング、フライドオニオン、でっかいカルピス、どれも業務スーパー担当(一番安い)の食品だ。今はほとんど買わない。思えば麺類を本当によく食べていた。今でも大好きだけどね。
でも大きな冷凍野菜や果物、お漬物、調味料には変わらず心躍るものだ。
今後の街選びには「業務スーパーがある」を条件にしたい。
あれやこれやと言ったが、実は昨日の不調から完全には復帰できなかったので、フルで出社はしたものの何となく貧血のような、浮遊感のあるまま一日を過ごしており、さっとごはんを済ませてお風呂を入れた。
気に入って大きなサイズで買った入浴剤が薄い透明のピンクにーつまりまるでうっすらと血の色にー染まるもので、不調の原因を考えると何だかな……という気持ちになりつつしっかり浸かってさっと上がる。
髪を乾かそうかなと思うころにはもう12時を回っていて、猛烈な眠気が襲ってきたのでシンクが皿であふれたまま諦めて寝た。
明日からは乗車率120%(本来ああいうものの容量は何割か余裕がある前提で設計されていたりするので)みたいな冷凍庫をいなすことを第一要件として献立を考える必要がある。色々買ったので楽しみだ。
ささやかな、あまりにもささやかな日常を消化することを楽しいと感じる、大人になったものだと思う。
▼素敵な皿はあるのだけど雑なときはついボウルでサラダを食べてしまう
召される感じ
12/14
実は体調が急降下していた。
昨日は早めの解散となっていたので家に着いたのはまだ夕食時だったが、電車に揺られている間になんだか気持ちが悪くなってしまい、すぐにベッドで丸まった。
素晴らしい休日をこのような記述で終えるのに忍びなくここに書いているが、心のうちでは特に気にはしていない。家に帰るまでが遠足なので、帰ったあとのことはもう別のこと。
それはそれとして体調不良はなかなかのもので、完全に横になっているにも関わらず何時間も続く吐き気というは滅法つらかった。
起きるとそれらは収まったものの、立ち上がり顔を洗って戻っただけで浮遊感があり右に左にふらつく。帰り道の眠気に逆らうべく大きめのコーヒーを飲んだのがいけなかったか。
取り急ぎ出社を遅らせようと勤怠のメールを送った。
午前に進捗確認の会議があるので、そこのファシリティでタスク整理して問題ないことを確認できたら午後も休もう。
と、思っていたら開始時刻の10分前に「午後でもいいですよ」とのメール。
いや今がいいんだよな…午後は存分に休みたいんだよな……。
ただそれは最初に終日休むと言わなかった私が悪いので、その人抜きでタスク確認だけして、出社メンバーに会議調整を依頼し、終日休みのメールを出してもう一回寝た。
調べると、会社の生理休暇がこの12/1から傷病休暇に吸収され、名称が変わっていた(というか休暇の上限日数は既存の傷病休暇のままなので名称がついていること自体意味がないのではと思ったけど)。
眠くはないのに意識が遠く(本当に経験したことはないけど、表現するなら召される感じ)、体を温めるためという口実で布団にいるので当然寝る。
▼昨日買った下仁田ネギを早速トースターで焼いて食べた